バイク事故女性、救急搬送されず警察署で死亡。遺族が涙の訴え

バンコクでバイク事故に遭った21歳の女性が、救助隊によって病院ではなく警察署に搬送され、その後死亡するという痛ましい事件が発生しました。遺族は、適切な処置がなされなかったとして、涙ながらに真相究明を訴えています。
この記事の要約
- 21歳の女性がバイク事故後、救助隊に病院ではなく警察署に搬送され、数時間後に死亡しました。
- 検死の結果、肋骨8本骨折と肺からの出血が判明。初期対応の誤りが指摘されています。
- 事件から1年が経過しても捜査に進展はなく、遺族は警察から逆訴訟を示唆されるなど、苦境に立たされています。
雨の夜の悲劇、なぜ病院へ行けなかったのか
事件が起きたのは2025年2月末の深夜。ワリサラー・ポンカムラーさん(当時21歳)は、雨で滑りやすくなっていたバンコクのラプラオ通りでバイクの運転を誤り転倒しました。通報を受けて駆け付けた救助隊は、ワリサラーさんを病院へ搬送せず、「泥酔しており、目立った外傷はない」と判断し、パホンヨーティン警察署へ連行しました。
しかし、警察署に到着してから数時間後の午前5時ごろ、ワリサラーさんの容態が急変。痙攣を起こし、午前6時には死亡が確認されました。後の検死により、彼女は肋骨を8本も骨折しており、肺に深刻な内出血を起こしていたことが明らかになりました。
遺族の悲痛な叫びと警察の対応
母親のスマポーンさんは、「なぜ事故に遭った娘をすぐに病院へ連れて行ってくれなかったのか」と、救助隊と警察の対応に強い疑念を抱いています。医師からは「肺出血は時間をかけて進行するため、早期に治療していれば助かった可能性がある」と告げられたといい、その無念さを滲ませました。
これに対し警察側は、「本人に身分証がなく連絡先が分からなかった」「本人が病院へ行くことを拒んだ」などと主張。しかし、後に警察が国民データベースを照会していたにもかかわらず、「顔が一致しない」という理由で親族への連絡を怠っていたことが示唆されています。事件から1年以上が経過した今も捜査は進展せず、母親が法的措置を検討すると、担当警察官から「逆に訴えられる可能性もある」と脅されたと訴えています。
嘲笑の的となった被害者、恋人が明かすチャット内容
さらに遺族を傷つけたのは、救助隊員の信じがたい行動でした。亡くなったワリサラーさんの恋人、ナタパットさんによると、救助隊員のグループチャット内で、ワリサラーさんの写真と共に「酔っぱらって使い物にならない」といった嘲笑するようなメッセージが交わされていたことが発覚。「人の命をおもちゃのように扱っている」と、ナタパットさんは怒りを露わにしました。
ナタパットさんは、事故当日にワリサラーさんが泥酔状態ではなかったと証言しており、救助隊の初期判断そのものに誤りがあったと指摘しています。
Thai-Picks View
この事件は、遺族がメディアに助けを求めたことで公になり、改めてタイの救急医療体制のあり方が問われています。世論の関心が高まることで、停滞していた警察の捜査が動き出す可能性があります。過去にも同様の救急対応の不備が問題となったケースがあり、今回の事件が再発防止に向けた具体的なシステム改善のきっかけとなるかどうかが注目されます。
タイ在住の日本人や旅行者は、万が一交通事故に遭遇した場合、意識があれば必ず「病院で検査を受けたい」という意思を明確に伝えることが極めて重要です。言葉に不安がある場合は、翻訳アプリを利用したり、周囲の人に助けを求めたりしてでも、医療機関を受診してください。また、緊急連絡先や持病、アレルギーなどをタイ語で併記したカードを携帯することも、万が一の際に命を守る助けになります。
関連連絡先:
在タイ日本国大使館 領事部: 02-207-8500 / 02-696-3000
ツーリスト・ポリス: 1155 (英語対応可)
※この記事のメイン画像はAIによって生成されたイメージです。

