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バンコク金価格が長期下降トレンドへ、在住者の資産防衛策は?

By編集長

3月 24, 2026
出典:元記事

バンコクの金価格が長期的な下降トレンドに突入する可能性が指摘されています。中東情勢の緊迫化と地政学的な不安が、世界の金市場に大きな影響を与えているとBangkok Postが報じています。

この記事の要約

  • 世界市場における金価格は、中東情勢の緊迫化を受け、1オンスあたり4,100ドルを下回ると長期的な下降トレンドに入ると見られています。
  • タイ国内の金価格も急落しており、タイ金取引業者協会(GTA)は投機目的の取引に警鐘を鳴らしています。
  • 米国の金融政策(利上げ予測)も金の需要に影響を与え、安全資産としての魅力が薄れる可能性が示唆されています。

世界の金価格:下降トレンドの兆候

金価格は、今週中に1オンスあたり4,100ドル(約61万円)を維持できなければ、長期的な下降トレンドに突入するとトレーダーは指摘しています。これは、中東情勢の緊張激化と紛争の長期化が背景にあると見られています。国際市場では月曜日に一時、1オンスあたり4,300ドル(約64.5万円)を割り込み、2026年で最低水準を記録しました。

ホアセンヘンの調査部門副部長であるシリラック・パコティプラパ氏は、Bangkok Postに対し「現在、4,230ドルと4,100ドルに主要な抵抗線が見られます。もし価格が4,100ドルを下回れば、金は長期的な下降トレンドに入ると考えられます」と語っています。また、シリラック氏は、今年の後半には金価格が4,000ドル(約60万円)を下回る可能性も示唆しており、世界の投資家は今後の動向を注視しています。

週末には、米国大統領がイランに対しホルムズ海峡の再開を48時間以内に行うよう要求。イラン側はこれに対し、海峡を「完全に封鎖する」と反発し、米国関連の金融機関や軍事基地を標的にすると警告しました。このような両国の対立が、金価格の変動に拍車をかけています。

タイ国内の金市場も下落

タイ国内でも、金塊の価格は1バーツ重あたり70,000バーツ(約35万円)を下回り、月曜日の午後には66回の価格調整を経て65,000バーツ(約32.5万円)で取引されました。タイ金取引業者協会(GTA)によると、中東紛争の激化によるインフレ懸念と世界的な金利上昇の期待が、安全資産としての金に対する需要を減少させています。

GTAのジッティ・タングシットパックディ会長は、金価格がさらに100~200ドル(約1.5万円~3万円)下落する可能性があると予測し、投資家に対し投機目的での金取引を急がないよう警告しています。しかし、同会長は金価格が4,000ドルを下回る可能性は低いとしており、GTAは2026年の金価格予測を1オンスあたり6,000ドル、金塊は1バーツ重あたり90,000バーツに維持しています。国際的な経済の不確実性が続く中で、タイ国内の金市場も揺れ動いています。

米国の金融政策と金の行方

CME FedWatchツールによると、今年中の米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの市場予測は急上昇しており、利下げよりも可能性が高いと見られています。12月までに利上げが行われる確率は約32%とされており、このような金利上昇期待は、インフレヘッジとしての金の魅力を低下させ、投資マネーが金から他の資産へと流れる傾向を強める可能性があります。世界の金融市場が複雑に絡み合う中で、金価格の動向はタイの経済にも大きな影響を与えるでしょう。

Thai-Picks View

今回の金価格の動向は、単なる投資の話に留まらず、タイを含む新興国の経済に広範な影響を及ぼす可能性があります。中東情勢の緊迫化や米国の金融政策といったグローバルな経済要因は、タイのような対外貿易と外国投資に依存する国にとっては、通貨の安定性やインフレ率に直結します。特に、開発金融研究所の報告にあるように直接投資が経済成長の鍵を握る中で、国際経済秩序の不安定化は、タイ経済全体の構造的な課題を浮き彫りにするでしょう。

タイに在住する日本人にとって、金価格の変動は生活防衛策を再考するきっかけとなります。グローバルな金市場の不安定化は、タイバーツの対円レートにも影響を与え、日本への送金や現地での生活費に変動をもたらす可能性があります。資産の一部を金で保有している場合はその価値を見直す必要があり、また、全体的な物価上昇(インフレ)に備えて、預貯金だけでなく他の安定した投資オプションも検討するなど、ポートフォリオの多様化が賢明な選択となるでしょう。

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