タイ・バンコクで深刻化していた燃料不足危機が、政府の一連の介入により緩和に向かっています。タイ政府は燃料供給の安定化と流通促進を図るため、様々な対策を講じており、その効果が表れ始めているとBangkok Postが報じました。
この記事の要約
- タイ政府の介入により、バンコクを含む全国的な燃料不足危機が緩和傾向にある。
- 首相令により石油備蓄率が引き上げられ、配送制限の一時解除など複数の対策が実施された。
- 不法な買い占めや市場操作の監視が強化され、供給網の透明性が向上している。
燃料危機対策と中東情勢の影響
タイエネルギー事業局(DOEB)のチャチャイ副局長は、政府の一連の介入策が奏功し、タイの燃料不足危機が緩和されつつあることを確認しました。DOEBは、特殊捜査局および地方自治体と連携し、流通のボトルネック解消に向けた多角的な対策を展開しています。
その一環として、アヌティン・チャーンウィーラクン首相は、石油取引業者に対し、年間の販売量の1%から3%へ備蓄率を引き上げるよう命令しました。これは平均消費量の約11日分に相当し、4月末までに実施されます。
この措置は、3月6日の免除を覆すものであり、当初は一部の小売業者から反発がありました。彼らは、イスラエルとイランの間の中東紛争が沈静化し、原油価格が下落した場合に生じる経済的リスクと潜在的な損失を懸念していました。
流通の円滑化と市場監視の強化
また、当局は都市部における日中の石油トラック配送制限を一時的に解除し、流通の迅速化を図っています。さらに、精製所および貯蔵施設は、供給量の不明瞭化を防ぐため、毎日午後6時までに配送量、受領者、価格を報告する義務が課されました。
オンラインでは、政治的つながりを持つ輸送業者が価格高騰を見越して石油を買い占めているという噂も流れていました。政府はディーゼルとガソリンへの補助金を継続していますが、石油燃料基金の財政負担が重く、段階的な価格引き上げが必要になる可能性も警告しています。
これまでに全国で50以上の貯蔵施設と1,500以上のガソリンスタンドが検査されました。先週、アントン県のある業者による不法な買い占めが発覚しましたが、チャチャイ副局長は広範囲にわたる買い占めは確認されていないと強調しました。
国内需要を優先するため、政府はラオスとミャンマーを除く石油輸出を禁止しています。
大手石油企業の増産と供給体制
一方、バンチャーク・コーポレーションは、中東での紛争勃発以来、需要が急増していると報告しています。ブディット・ハンサパイブーン社長代理は、バンコクおよびチョンブリーの施設で精製所の生産量を約8%増加させ、日量27万バレルから29万バレルに引き上げたと述べました。
特にディーゼルは日量1,900万リットルに急増しており、この需要を満たすために配送も強化されています。DOEBが「デッドストック」(倉庫に保管されている未販売の石油製品)の販売を許可したことも、ガソリンスタンドでの圧力緩和に貢献しています。
Thai-Picks View
今回のタイ・バンコクでの燃料危機は、地政学的なリスクや国際経済の変動が、私たちの日常生活に直接影響を与えることを改めて示しました。しかし、タイ政府は迅速かつ具体的な対策を講じており、バンコクの市街地やチャトゥチャック・ウィークエンドマーケット周辺、あるいはサイアム・スクエアといった主要な観光地やカフェ街で、直ちに燃料が手に入らなくなるような過度な心配は不要です。
念のためこれだけ注意しておきましょう。緊急時でもパニック買いは避け、燃料残量には余裕を持つようにしましょう。また、ニュースや政府の公式発表を定期的に確認し、正確な情報に基づいて行動することが大切です。特に旅行でレンタカーを利用する際は、ガソリンスタンドの場所や営業時間を確認し、早めの給油を心がけましょう。
- ツーリストポリス(観光警察): 1155(英語対応)
- 在タイ日本国大使館: 02-207-8500(領事部)