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トラート・ラヨン県、冷凍パイナップル12,000トンを中国へ輸出

By編集長

3月 24, 2026
出典:元記事

トラート・ラヨン県産のパイナップル12,000トンが中国へ輸出拡大へ。タイ東部で栽培される「トラート・シー・トン種」と「トン・ラヨン種」のパイナップルが、中国市場への輸出を拡大します。この動きは、地元農家の所得安定に貢献すると期待されており、タイの主要経済メディアであるPrachachat Businessが報じました。

この記事の要約

  • チャンタブリー県のゲオフォン社が、トラート県とラヨン県で栽培されるパイナップル12,000トンを冷凍加工し、中国市場へ輸出する協定(MOU)を締結しました。
  • このMOUは、トラート、ラヨン、チャンタブリー3県の農家と事前に連携し、市場価格の変動リスクから生産者を保護することを目的としています。
  • パイナップルの買い取り価格はサイズ別に保証されており、市場価格が低迷した場合でも、農家は安定した収入を得られるようになります。

冷凍パイナップル12,000トンを中国へ輸出

チャンタブリー県に本社を置くゲオフォン社は、タイ東部のトラート、ラヨン、チャンタブリーの3県から合計12,000トンのパイナップルを買い付け、冷凍加工した上で中国へ輸出すると発表しました。これらの冷凍パイナップルは、中国で食品や菓子の原材料として使用される予定です。同社は過去にドリアンペーストを年間5,000~6,000トン、中国のピザ用トッピングとして輸出しており、中国市場との取引実績があります。

2026年、ゲオフォン社は、ラヨン県のパイナップルコミュニティ企業ネットワーク、トラート県のボーライ農業協同組合、トラート県農業事業振興協同組合、そしてGI(地理的表示)認証を受けた「トラート・シー・トン種」パイナップルを栽培するトラート県の農家3軒との間で、売買に関する協力協定(MOU)を締結しました。この調印式は2026年3月20日にチャンタブリー県のゲオフォン社で行われ、内務省商業局長、トラート県、チャンタブリー県、ラヨン県の商業事務所の代表者が立ち会いました。

農家を保護する価格保証制度

ゲオフォン社が設定したパイナップルの買い取り保証価格は、以下の3サイズに分けられています。1) 0.9kg以上は1kgあたり10バーツ(約50円)、2) 0.6〜0.89kgは1kgあたり7バーツ(約35円)、3) 0.59kg以下は1kgあたり4バーツ(約20円)です。

ゲオフォン社のソンサック・ルートサムローン氏によると、このMOUにより、農家は市場価格の変動リスクから守られます。特に価格が1kgあたり5〜6バーツ(約25〜30円)に低迷する時期でも、農家は保証価格で売却できるため、平均生産コストが1kgあたり6〜7バーツ(約30〜35円)とされるパイナップル栽培において、安定した収入が期待できます。今回の12,000トンの輸出契約は初年度の試みであり、成果が良好であれば、契約量の増加も視野に入れています。

買い取り対象となるのは、トラート県で主に栽培され年間平均5万トンの収穫がある「トラート・シー・トン種」と、ラヨン県で栽培される「トン・ラヨン種」です。これらは冷凍保存や菓子・ピザのフィリングなど加工用に適しており、ドリアンのように生食される品種ではありません。

栽培面積減少と市場の課題

トラート県ボーライ農業協同組合のセクサーン・カムプリュー氏は、現在、GI認証の「トラート・シー・トン種」パイナップルの栽培面積が減少傾向にあると述べています。これは、農家が他の果物やゴムの栽培に転換しているためで、パイナップルはあくまで副作物として位置づけられています。

同協同組合は現在20名以上の組合員を擁し、約400〜500ライ(約64〜80ヘクタール)の栽培面積から年間160万〜200万個のパイナップルを生産しています。今回の契約により、農家は事前に生産計画を立てやすくなると期待されています。特に、例年7月から9月の雨季には買い手が見つからず、畑に放置されることが多かったパイナップルも、価格保証契約によってすべてのサイズで確実に販売できるようになります

パイナップル市場は供給量が少ないために需要が高い状態が続いていますが、一方で肥料や燃料価格の高騰による生産コストの増加リスクを抱えています。2026年の契約は市場のテストとリスク管理の初年度と位置付けられており、良好な結果が得られれば、今後さらなる協力関係の拡大が期待されています。

Thai-Picks View

今回のニュースは、タイが農産物の輸出戦略において、地理的表示(GI)保護制度を活用し、地域ブランドの価値を高めようとしている流れを反映しています。生鮮品としての輸出には品質保持や輸送の課題が伴いますが、冷凍加工品として輸出することで、より広範囲の市場へのアクセスと安定した供給が可能となります。特に、タイのような農業国では、気候変動や市場価格の変動が農家の生計に直接影響するため、このような安定的な買い取り契約は持続可能な農業を支える重要な取り組みと言えるでしょう。

在住日本人にとっては、加工用パイナップルの輸出が国内の生鮮パイナップル価格に直接的な大きな影響を与える可能性は低いでしょう。しかし、このような農業分野での安定した輸出ビジネスは、地方経済の活性化に寄与し、結果としてタイ全体の経済基盤を強化する可能性があります。これは中長期的に見れば、タイの物価安定や雇用創出に繋がり、在住者の生活環境にも良い影響をもたらすかもしれません。また、タイの食品加工技術の進展は、今後日本で販売されるタイ産加工食品の品質向上や多様化にも繋がり、間接的に私たちの食卓を豊かにする可能性も秘めています。

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