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タイ地方6県、新鉄道整備着手!チェンマイ、プーケットなどで交通網強化

By編集長

3月 24, 2026
出典:元記事

タイの主要地方都市で、公共交通機関の整備が本格化しています。チェンマイ、ピッサヌローク、ナコンラチャシーマ、コンケン、プーケット、そしてソンクラー県のハジャイを含む6県で、新たな鉄道プロジェクトが進行中であるとPrachachat.netが報じました。

この記事の要約

  • タイ交通政策計画事務局(OTP)は、全国6県でライトレール(LRT)やモノレールなどの地域鉄道整備計画を推進しています。
  • チェンマイとプーケットではLRTの建設計画が2027年(令和9年)以降に予定されており、それぞれ約1553億円、約1760億円の多額の投資が行われます。
  • 各都市の交通渋滞緩和と観光振興が主な目的で、官民連携(PPP)方式も積極的に活用され、地方のインフラ強化を目指します。

タイ地方都市の交通インフラ整備計画

タイの交通インフラ整備は、もはやバンコク首都圏に限定されません。タイ運輸省のジラロート・スコーンラット交通政策計画事務局(OTP)長官は、地方6県での公共交通機関システム開発計画を進めていることを明らかにしました。これらのプロジェクトは、都市の拡大に対応し、深刻化する交通渋滞の緩和、そして観光振興にも大きく貢献することを目的としています。タイ高速度交通公社(MRTA)と地方自治体が協力し、各プロジェクトの開発を担います。

チェンマイ県のLRTプロジェクト

タイ北部の中心都市チェンマイでは、ライトレール(LRT)レッドラインの先行区間(ナコンピン病院〜メーヒア・サマーン・サマッキー交差点、全長15.8km、16駅)が進められています。LRTは地上区間9.3km、地下区間6.5kmで、総投資額は310億6230万バーツ(約1553億円)を見込んでいます。計画では2027年(令和9年)に着工し、2031年(令和13年)の開業を目指しており、現在、MRTAが延伸区間の詳細な実現可能性調査を委託しています。

ピッサヌローク県のオートトラム計画

タイ中央部のピッサヌローク県では、ゴムタイヤ式トラム(オートトラム)のレッドライン先行区間(ピッサヌローク大学〜セントラルデパート、全長12.6km、15駅)が計画されています。全線地上を走行し、投資額は16億7176万バーツ(約83.5億円)です。MRTAは現在、実現可能性調査と設計業務のための調達条件(TOR)を見直し、調整を進めており、2029年(令和11年)着工、2032年(令和14年)開業を予定しています。

ナコンラチャシーマ県のオレンジライン

タイ東北部の玄関口であるナコンラチャシーマ県では、プロジェクトのルートが変更されました。当初のグリーンラインからオレンジライン(テープラット病院〜ジョーホー共同駅)に変更され、MRTAによる詳細な実現可能性調査と設計は完了しています。こちらも2029年(令和11年)着工、2032年(令和14年)開業を目標としています。

コンケン県のレッドライン

同じくタイ東北部のコンケン県では、県がプロジェクトの調査結果を見直し済みです。先行区間のレッドライン(サムラーン〜タープラ)については、環境影響評価(EIA)の修正作業が、国家環境委員会(NEB)の意見を基に進められています。また、関連機関との用地取得交渉も進行中です。

プーケット県のLRTプロジェクト

人気観光地プーケット県では、MRTAが詳細な実現可能性調査と設計の見直し・追加を進めています。フェーズ1としてプーケット国際空港〜ハーイェーク・チャローン交差点まで総延長42km、21駅の区間が計画されています。LRTは高架、地下、地上を走行し、総投資額は352億バーツ(約1760億円)です。2028年(令和10年)に着工し、2031年(令和13年)の開業を目指しています。

ハジャイ(ソンクラー県)のモノレール計画

タイ南部の主要都市ハジャイ(ソンクラー県)では、クロンワ駅〜バン駅間の先行区間(全長12.54km、12駅)でモノレール方式が採用されます。全線高架を走行し、官民連携(PPP)ネットコスト方式での開発が検討されています。MRTAは現在、これまでの調査結果の見直しを進めている段階です。

今後の展望と地域経済への影響

これらの地方鉄道プロジェクトは、タイの「セカンダリー・シティー」開発戦略の一環として位置づけられています。JICAなどの国際協力機関も、ASEAN地域全体の経済的統合と地域間格差の是正を重視しており、地方都市のインフラ整備はその中核をなします。官民連携(PPP)方式の活用は、政府の財政負担を軽減しつつ、民間投資を呼び込み、持続可能な都市開発を促進するための重要な手段です。プロジェクトの進行は、各地域の雇用創出や経済活動の活性化に繋がり、タイ全体のバランスの取れた発展を後押しすると期待されています。

Thai-Picks View

タイでは、バンコク一極集中型の経済構造からの脱却を目指し、地方都市のインフラ整備が喫緊の課題となっています。特に地方都市の交通インフラは長年の懸案事項であり、公共交通指向型開発(TOD)の推進が重視されています。今回の鉄道プロジェクトは、こうした背景から地方の潜在能力を引き出し、交通渋滞の緩和だけでなく、新たな経済圏の創出や観光産業のさらなる成長を促す上で極めて重要な意味を持ちます。

在住日本人にとっては、これらの地方都市での鉄道整備は、新たなビジネス機会や旅行の選択肢を広げるものとなるでしょう。例えば、これまで交通の便が悪かった地方の観光地へのアクセスが格段に向上し、週末の小旅行がより手軽になります。また、地方での生活を検討する際にも、都市内移動がしやすくなることで利便性が高まります。長期的に見れば、地方の発展に伴い物価や不動産価値にも影響が出る可能性もありますが、当面は交通インフラの改善による生活の質の向上というポジティブな側面が大きいでしょう。

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