2026年3月25日、タイの金価格が大幅に高騰し、1バーツあたり71,400バーツ(約35.7万円)に達しました。この急激な上昇は、金融市場における金の価値への関心の高まりを示しています。Prachachat Business(プラチャーチャート・ビジネス)が報じたところによると、前日終値と比較して2,300バーツ(約11,500円)の上昇を記録しています。
この記事の要約
- タイの金価格が急騰し、宝飾用金は1バーツあたり71,400バーツ(約35.7万円)に達しました。
- 国際市場では、ドル指数と米国債利回りの横ばいや、地政学的な緊張が金価格を押し上げています。
- 中央銀行の利上げ観測も強まり、金は安全資産として投資家の注目を集めています。
タイ国内の金市場が活況
タイ金取引業者協会が3月25日正午過ぎに発表した最新データによると、国内の金価格は大幅な上昇を見せました。96.5%の金塊(Gold Bar)の買い取り価格は1バーツあたり70,400バーツ(約35.2万円)、売り出し価格は70,600バーツ(約35.3万円)に設定されました。また、宝飾用金(Gold Ornament)の買い取り価格は1バーツあたり68,993.16バーツ(約34.5万円)、売り出し価格は71,400バーツ(約35.7万円)となりました。この急激な価格変動は、タイの投資家や一般市民に大きな影響を与えています。
世界情勢が金価格を牽引
ホアセンヘン証券は、3月25日午前の金価格動向について分析しました。世界の金価格(Gold Spot)は1オンスあたり4,557.00ドルで推移しており、その背景には複数の要因があります。まず、ドル指数(DXY)が99.14で横ばいであること、そして米国10年債利回りが4.36%で安定していることが挙げられます。これは、米国のサービス業PMI指数が市場予想を下回ったことに起因しています。
また、国際政治の不安定さも金価格を押し上げる要因となっています。イランのペゼシキアン大統領がパキスタンのシャリフ首相と電話会談し、地域協力推進へのコミットメントを再確認した一方で、イスラエル高官はパキスタンでの会合を提案しています。中東における緊張緩和の動きが見られるものの、サウジアラビアとクウェートがイランからのミサイルやドローン攻撃を受けたと報じられ、サウジアラビアが即時報復の構えを見せるなど、地政学的なリスクは依然として高い状況です。
利上げ観測と投資動向
CMEフェドウォッチの予測によると、FRB(米連邦準備制度理事会)が次回会合で利上げを行う確率は8.3%から9.3%に上昇しました。これにより、金融引き締めへの警戒感が広がり、相対的に安全資産である金への資金流入が加速しています。世界最大の金ETFであるSPDRゴールド・シェアーズは、0.29トンを買い増し、総保有量は1,052.99トンに達しました。この動向は、機関投資家も金市場のさらなる上昇を見込んでいることを示唆しています。
Thai-Picks View
タイでは古くから金は富と地位の象徴であり、経済的な不確実性が高まる時期には特に、投資や資産保全の手段として絶大な人気を誇ります。「タイの金(ゴールド)購入 完全ガイド!」といった情報源にもあるように、金行(Gold Shop)は街の至る所にあり、タイ人の金への熱狂は文化的背景に深く根ざしています。現在の国際的な地政学リスクの高まりや、経済の先行き不透明感は、タイ国内でさらに金投資への関心を高める要因となっています。
このような金価格の高騰は、タイ在住日本人にとっても資産運用を考える上で重要な動向です。バーツ建ての金資産を持つ人は含み益を得る一方で、今後さらに物価上昇につながる可能性も考慮に入れる必要があります。生活防衛策として、自身のポートフォリオにおける金の割合を見直したり、タイバーツと日本円のバランスを考慮したりするなど、経済状況の変動に柔軟に対応することが求められます。特に、投資信託や株式と異なり、金は現物として保有できるため、有事の際の資産の避難先として認識しておくことも一考でしょう。