アジア地域を襲う燃料危機が深刻化し、各国政府が対策を急いでいます。BBCなどが報じたところによると、中東情勢の緊迫化によりホルムズ海峡を経由する原油・ガス輸入の約9割を占めるアジア各国で、燃料価格の高騰と供給不安への対応に追われているとのことです。
この記事の要約
- インド政府はガソリンとディーゼルの物品税を減税し、市民の負担軽減を図っています。
- 韓国は石油化学製品のナフサ輸出を禁止し、大統領府でも象徴的な節電策を実施しました。
- 日本は一時的に石炭火力発電所の稼働制限を解除し、電力供給の安定化を目指しています。
- ベトナムは燃料の環境保護税を免除し、フィリピンでは燃料高騰による交通ストライキが継続中です。
ホルムズ海峡が招くアジアの燃料危機
2026年3月27日のKhaosodの報道によると、米国、イスラエル、イラン間の紛争激化を受け、ホルムズ海峡を通る原油・天然ガスの供給に懸念が生じています。この海峡は、アジア諸国が輸入する石油・天然ガスの約9割が通過する重要な海上交通路であり、その影響は広範囲に及んでいます。各国政府はエネルギー問題に対応するため、様々な緊急措置を講じています。
インド、ガソリン・ディーゼル減税で物価高騰を抑制
インド政府は、変動が続く燃料価格と供給制限に対応するため、ガソリンとディーゼルの物品税を減税すると発表しました。財務省によると、ガソリンの物品税は1リットルあたり約15バーツ(約75円)から3バーツ(約15円)に、ディーゼルは3バーツ(約15円)からゼロに引き下げられます。これにより、国民の燃料購入費の負担軽減を目指しています。3月26日には、プラヤグラージ市内のガソリンスタンドで、燃料を求めて長蛇の列ができる光景が見られました。
韓国はナフサ輸出禁止と大統領府での節電を指示
韓国政府は、石油化学産業の基礎原料であるナフサの輸出を禁止する措置を取りました。韓国は通常、ナフサの約半分をホルムズ海峡から輸入しており、この措置は国内供給の確保を目的としています。さらに、韓国大統領府はエネルギー消費削減の象徴的措置として、廊下の照明を半分消灯するよう指示しました。
東京でも影響、日本は石炭火力発電の稼働制限を一時解除
日本政府は、石炭火力発電所の稼働制限を一時的に解除する計画を立てています。これまで、二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電所は、発電事業者に対して稼働率を50%以下に抑えるよう求められていました。しかし、この規制が一時的に解除されることで、旧式で効率の低い石炭火力発電所もフル稼働が可能となり、電力供給の安定化に寄与すると見られます。3月13日には、東京のガソリンスタンドで燃料価格が表示されており、国際情勢が日本の電力政策にも影響を与えていることが分かります。
ベトナムは環境税免除、フィリピンでは交通スト継続
ベトナム政府は、高騰するガソリン価格を抑えるため、燃料の環境保護税を一時的に免除すると発表しました。この免除は4月15日まで有効で、ガソリン、ディーゼル、航空燃料の環境保護税率がゼロに引き下げられます。ベトナム商業省は、「ホルムズ海峡での紛争激化が過去最大級のエネルギー供給問題を招く中、これは国内の石油市場を安定させ、エネルギー安全保障を確保するための緊急かつ効果的な解決策となる」と述べています。一方、シンガポールは飛行機からの排出物に対するグリーン燃料税の徴収開始を2027年1月まで延期しました。フィリピンのマニラでは、フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領が国家エネルギー緊急事態を宣言し危機解決に努めているものの、燃料価格高騰を背景とした輸送事業者のストライキが2日連続で続いています。
Thai-Picks View
タイもアジアの他国と同様に、化石燃料のほぼ全量を輸入に依存しており、中東情勢の緊迫化による原油価格の変動は、国内経済に直接的な影響を及ぼします。タイ政府もエネルギー安全保障の確保を重要視していますが、エネルギー供給源の多様化や再生可能エネルギーへの移行は依然として課題を抱えています。そのため、国際的な燃料危機は、タイの物価上昇や国民生活に大きな打撃を与える可能性があります。
バンコクをはじめとするタイ在住の日本人にとっても、燃料価格の高騰は他人事ではありません。ガソリン代や電気料金の上昇は家計を圧迫し、物流コストの増加は食料品を含む様々な商品の値上げにつながります。光熱費の節約や公共交通機関の積極的な利用、または車の相乗りなどを検討するなど、日々の生活における工夫が求められるでしょう。今後も政府の動向や市場の変化に注意を払い、生活防衛策を講じることが賢明です。