2026年タイ総選挙:政権樹立への道筋

この記事の要約

  • 2026年2月8日にタイで実施される総選挙を前に、政治情勢は激動の時代を迎えています。
  • コラムニストのワンナチョーク・チャイサアート氏が、脆弱な連立政権、首相選出における上院議員の権限終了、そして経済問題や汚職への対策が選挙の焦点であると分析しています。
  • 選挙後は各政党間の協力と交渉が不可欠であり、国民の意思を尊重した新政府の樹立が期待されています。

タイ総選挙を控えた政局の動向

2026年2月8日、タイでは第28回目となる重要な総選挙が迫っており、国内政治はかつてないほどの変動期を迎えています。過去数年間で3人の首相が交代するなど、連立政権の脆弱性が浮き彫りになっており、コラムニストのワンナチョーク・チャイサアート氏は、選挙を巡る「ゲーム」の複雑さを指摘しています。

不安定な連立政権と首相交代の歴史

タイではこれまでに32人の首相が就任しており、特に直近2〜3年の間に、セーター・タウィーシン氏(第30代)、ペートーンターン・シナワット氏(第31代)、アヌティン・チャーンウィーラクーン氏(第32代)と、3人もの首相が短期間で交代しました。この頻繁な交代は、2060年憲法下での連立政権が抱える脆さと、首相選出における上院議員(スウォー)の権限が不安定さを助長した結果であると筆者は分析しています。誰が指導者となっても、統一性と安定性を欠く状況が続いてきました。

選挙後の「国民の声」の影響力増大

しかし、今回の総選挙では新たな希望が見出されています。首相選出における上院議員の権限が終了するため、「国民の声」がこれまで以上に強く反映されることになります。政治の方程式は、真に下院議員(ソソ)の議席数へと戻り、国民の投票が直接的に政権の行方を左右する重要な要素となるでしょう。

主要な政策論争点:経済と汚職

各政党による討論会やビジョン発表の場で、聞き手も話し手もほぼ共通の大きな問題意識を共有しています。経済問題、生活費の高騰、債務問題、国の主要な基盤である労働者や中小企業への支援、新たな経済エンジン(New Engine)やSカーブ戦略の開発などが主な論点です。国境貿易は安全保障問題によって機会が損なわれ、また「汚職」という永遠の課題も存在します。経済に関する各党のコンセプトは類似しており、国の歳入増加、投資誘致、新たな市場機会の拡大、負担軽減、予算の効率的な配分を目標としています。

しかし、有権者の意思決定の鍵となるのは、どの政党やチームが紙の上の政策を実際に実行できる「信頼性」と「潜在能力」を持っているかという点です。もし国民がそのチームの実行力やプロセスが透明であると信じなければ、投票行動には繋がりません。

「選挙前のゲーム」と「選挙後のゲーム」

この選挙戦において、「選挙前のゲーム」と「選挙後のゲーム」は大きく異なると筆者は見ています。選挙が終わった後には、多数派を形成し、首相を承認し、政府を樹立するための各政党間の連携、圧力、そして交渉という新たなゲームが待っています。

各党の議席予測と今後の展望

筆者は選挙結果を先行して予測しています。カオクライ(オレンジ)が170〜180議席で第一党となり(前回151議席から増加)、プアタイ(レッド)が100〜120議席で第二党(前回141議席から減少)、そしてプムジャイタイ(ブルー)が70議席から大幅に成長し、約100議席を獲得して第三党となるだろうと見ています。いずれの政党も単独での地滑り的な勝利は難しいと予想されます。そのため、どの政党が誰と手を組み、どのような条件で協力し、どのような制約を受けるのかが注目されます。

最も重要なのは、選挙後に政治的協調の精神を持つことです。選ばれた政府が職務を遂行する機会を与え、不当な法的手段やシステム外の権力を用いて、主権者である国民の意思を歪めるような行為は避けるべきだと筆者は強く訴えています。

引用元:
https://www.prachachat.net/opinion-column-10/news-1951898

#タイ #ゲーム #選択 #意思決定 #コラム

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です