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タイで子ども用窒息救命デバイスの偽造品が横行しており、小児科医がインフルエンサーによる宣伝に警鐘を鳴らしています。子どもを窒息から守るためのデバイスについて、多くの保護者が誤った情報に惑わされている現状を、タイの大手メディアKhaosod(カオソッド)が報じました。
この記事の要約
- インフルエンサーがレビューする子ども用窒息救命デバイスには偽造品が多く、使用は危険です。
- 米国FDA承認の正規デバイスは高価で、タイで安価に販売されているものはほぼ偽物です。
- 窒息時にはまず標準的な応急処置を行い、デバイスは最後の手段として使用すべきです。
医師が警鐘!危険な偽造窒息救命デバイス
タイの小児科医タッチャナポン・ジョンチャルーンヤーノン医師(通称:モッド医師)が、自身のFacebookページ「モッド医師の子育て講座」を通じて、子ども用窒息救命デバイスに関する危険な実態について警鐘を鳴らしました。
ソーシャルメディア上では「自宅に常備すべき必須アイテム」として、インフルエンサーたちがこれらのデバイスをこぞって紹介しています。しかし、モッド医師は、タイ国内で流通しているデバイスのほぼ全てが「偽造品または違法品」であると指摘しています。
正規品と偽造品の見分け方:命を救うか、危険に晒すか
米国食品医薬品局(FDA)が承認しているのは「LifeVac」というブランドのデバイスのみで、その価格は約4,000〜6,000バーツ(約2万円〜3万円)です。一方、タイで広範に販売されている模倣品は、外見こそ似ていますが、その価格はわずか300〜400バーツ(約1,500円〜2,000円)程度です。
これらの安価な偽造品は、レビューするインフルエンサーに1点あたり100バーツ(約500円)近い高額なコミッションが支払われるため、多くのインフルエンサーがこぞって宣伝しているのが現状です。モッド医師は、「子どもの命を救うはずのデバイスが、わずか数百バーツのおもちゃ同然の品質で、実際の緊急時に機能するかは極めて疑問」と強調しています。
まずは標準的な応急処置が最優先
FDAは、これらの窒息救命デバイスを「標準的な応急処置の『代替品』として使用してはならない」と明言しており、「あくまで『第二の選択肢』として、1歳以上の子どもに限り、標準的な処置が全て失敗した場合にのみ検討すべき」と強調しています。
最も重要なのは、デバイスに頼るのではなく、世界中で採用されている標準的な応急処置方法を学ぶことです。
- 1歳未満の乳児: 背部叩打法(背中を5回叩く)と胸部圧迫法(胸を5回圧迫する)を交互に行う。
- 1歳以上の子ども: 背部叩打法(背中を5回叩く)と腹部突き上げ法(ハイムリック法、お腹を5回突き上げる)を交互に行う。
モッド医師は、緊急時には「一刻を争う状況」であり、「デバイスを探したり、箱を開けたりする時間があれば、子どもの脳に永久的なダメージを与える可能性がある」と警告しています。「あなたの手と知識こそが、最も迅速かつ確実に子どもの命を救う武器となる」と訴えています。
Thai-Picks View
タイでは、医薬品だけでなく、電化製品やブランド品など、残念ながら多くの模倣品が市場に出回っているのが現状です。特に、オンラインプラットフォームや個人間の取引では、価格の安さに惹かれて偽造品を購入してしまうケースが後を絶ちません。今回のような医療関連製品は、命に直結するため特に注意が必要です。政府も偽造品防止と消費者保護に関する集中データベースの構築を進めていますが、消費者の自己防衛意識が非常に重要になります。
タイ旅行中にお土産などを購入する際も、異常に安価なブランド品や医薬品などには注意が必要です。信頼できる大手百貨店や公式ストア、認定薬局での購入を心がけましょう。また、もしタイ人の友人に子どもがいる場合、窒息時の応急処置の話は重要な雑談ネタになります。知識を共有し、お互いの子どもたちの安全を守る意識を高めることができます。
- タイ消費財保護局 (OCPB): 偽造品に関する相談窓口があります。
- 大手ドラッグストア (Watsons, Bootsなど): 信頼できる医薬品や健康補助食品を取り扱っています。
- セントラルデパート、サイアムパラゴンなどの正規販売店: 高品質で安全な商品が揃っています。