ドクター・ニウェート氏、「セミ・アクティブ投資」を提唱

この記事の要約
- タイの著名なバリュー投資家、ドクター・ニウェート・ヘーマワチラワラーコーン氏が、2569年1月18日に現代市場向けの新たな投資戦略「Semi-Active Investing(セミ・アクティブ投資)」を提唱しました。
- この戦略は、成長が鈍化しアクティブ投資が難しくなったタイ市場などの現状を踏まえ、長期保有と厳選された少数の銘柄変更を行うことで、アクティブ投資とパッシブ投資の利点を組み合わせることを目指します。
- ドクター・ニウェート氏は、ベトナム市場での自身の投資経験と具体的な銘柄例を挙げ、投資家が自身の知識や市場環境に応じて最適な戦略を選ぶべきだと強調しています。
ドクター・ニウェート氏、新市場戦略「セミ・アクティブ投資」を提唱
2569年1月18日、タイの著名なバリュー投資家(VI)の第一人者であるドクター・ニウェート・ヘーマワチラワラーコーン氏が、現代の市場環境に対応するための新たな投資戦略「Semi-Active Investing(セミ・アクティブ投資)」を提唱しました。これは、効率化が進む市場において従来の「アクティブ投資」が困難になった現状を受け、長期的な視点での銘柄保有と頻繁な売買を避けることを特徴としています。
投資戦略の変遷と「セミ・アクティブ投資」の誕生
タイ市場の黄金期から成長の限界へ
ドクター・ニウェート氏は、2540年のアジア通貨危機後、「Value Investing(バリュー投資)」という新しい投資思想を提唱し、自らも実践してきました。当時のタイ市場では、中小の割安株を発掘し、頻繁な売買を通じて莫大な利益を上げることが可能でした。多くの「VIの達人」や富豪が誕生し、ウォレン・バフェットを上回るリターンを記録する投資家も珍しくありませんでした。
しかし、過去5年から10年間で、タイ経済および株式市場は成熟期を迎え、かつてのような急速な成長を遂げる中小企業を見つけることは極めて難しくなりました。自信を持って購入した銘柄が大きく下落し、多くの投資家や専門家が大きな損失を被る事態に直面しています。
「アクティブ投資」の難化と「パッシブ投資」の台頭
市場の効率性が高まるにつれて、「アクティブ投資」で市場平均を上回るリターンを継続的に達成することはますます困難になっています。特に先進国市場においてはその傾向が顕著です。これに対し、アメリカ、ベトナム、中国などの市場では、特定の銘柄選択を行わず、市場全体の指数に連動する「Passive Investing(パッシブ投資)」、すなわちインデックスファンドへの投資が成果を上げています。
ドクター・ニウェート氏自身も、過去3~4年間のインデックスファンドのパフォーマンスが、自身による銘柄選択を大きく上回っていると実感しています。市場が未成熟な発展途上国(ベトナムやインドなど)であれば、まだアクティブ投資の機会は残されているものの、多くの市場ではその優位性が失われつつあると考えています。
「セミ・アクティブ投資」とは
アクティブとパッシブの融合
こうした市場環境の変化の中で、ドクター・ニウェート氏が提唱するのが「Semi-Active Investing(セミ・アクティブ投資)」です。これは「アクティブ投資」と「パッシブ投資」の中間に位置する戦略であり、ドクター・ニウェート氏は自身が長年無意識に実践してきた手法であると述べています。
「セミ・アクティブ投資」の最も簡潔な定義は、長期保有、少ない銘柄変更です。投資する銘柄はバリュー投資の原則に基づき、ファンダメンタルズと安全域を重視して選定されます。そして、市場状況や個別銘柄の状況に応じて、適宜ポートフォリオの調整を行います。
具体的には、厳選された数銘柄、例えば6〜7銘柄の「スーパーストック」に焦点を絞り(フォーカス投資)、これらを極めて長期にわたって保有します。銘柄の入れ替えは、その銘柄がスーパーストックとしての魅力を失った場合(例えば、技術革新によって競争力が失われた場合など)に限られます。平均的な保有期間は6〜7年以上になることもあります。この手法は、著名な投資家ウォレン・バフェット氏のスタイルにも通じるものであり、彼もまた「セミ・アクティブ投資家」と見なすことができます。
ベトナム市場での実践と成果
長期保有と配当再投資
ドクター・ニウェート氏は、約10年前からベトナム株式市場に投資を開始し、過去4〜5年間は全資産の約30%をベトナム市場に投入してきました。ここでも「セミ・アクティブ投資」戦略を適用し、6〜7銘柄の主要なスーパーストックを厳選して長期保有しています。配当金は同じ銘柄に再投資する以外、ほとんど取引は行っていません。
自身のベトナム市場での実績は、年率約10%の複利リターン(配当込みで年率約11%)で、「まずまず」と評価しています。ただし、ベトナムでは詳細な企業分析や経済状況の理解が難しく、過去10年間でわずか2〜3回しか現地を訪れていないため、市場全体を反映するベトナム株式市場指数(インデックス)には数年間劣る結果となっています。
将来のトップ10銘柄ポートフォリオの提案
2566年10月末に「世界のValue Investorの視点」というコラムで、ドクター・ニウェート氏は「将来のトップ10銘柄への投資」と題し、ベトナム市場における10年後に最大規模となるであろう10銘柄の選定方法を提案しました。これは、当時の時価総額上位20銘柄から、同業種の重複やコモディティ関連銘柄を除外して選ばれたものです。
選定された10銘柄は以下の通りです。
- VCB(最大手銀行)
- VHM(最大手不動産)
- GAS(最大手石油・ガス)
- VNM(最大手牛乳・ヨーグルト)
- FPT(最大手テクノロジー)
- MSN(最大手食品メーカー)
- SAB(最大手ビール)
- MWG(最大手携帯電話・家電販売)
- VRE(最大手ショッピングモール)
- ACV(ベトナム空港運営)
2569年1月17日時点での約2年2ヶ月半の運用実績では、この10銘柄の平均リターンは約19.4%、年率換算で約8.3%(配当込みで約11%)となりました。この期間のタイ株式市場が横ばいだったことを考えると、これは良好なリターンと言えます。
しかし、同期間のベトナム株式市場指数は74%上昇しており、「パッシブ投資」が圧倒的なパフォーマンスを示しました。これは一時的な現象かもしれませんが、ドクター・ニウェート氏は、今後10年間の結果を見る必要があるとしつつも、「セミ・アクティブ投資」である以上、市場や銘柄の状況に応じてポートフォリオや選定基準の見直しを検討すべきだと述べています。
投資家への提言
ドクター・ニウェート氏は、アクティブ、セミ・アクティブ、パッシブの3つの投資戦略のどれを選択するかは、投資を行う市場の特性や、投資家自身の知識、時間、労力といった「気力」の度合いによって決めるべきだと強調しています。現在のタイの投資家が、あらゆる市場でアクティブ投資を行うのは難しい状況であるとの見解を示しました。
ドクター・ニウェート氏自身は「セミ・アクティブ投資」を主軸とし、将来的には知識が乏しい先進国の「世界株式市場」では「パッシブ投資」も検討するとしています。投資家は自身の状況を客観的に見極め、最適な戦略を選ぶことが重要であると結論付けました。
引用元:
https://www.prachachat.net/finance/news-1952288
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