タイ工業連盟次期議長選、SME支援で2副議長が激突

この記事の要約
- 2026年3月に現任議長の任期が満了するタイ工業連盟(FTI)は、同年4月に新議長を選出します。
- 今回の選挙には、副議長を務めるチャナ・プーミー氏とアピチット・プラソップラット氏の2名が立候補し、特に中小企業(SMEs)支援に関する自身のビジョンを提示しています。
- 両候補は、経済回復が遅れる現状や地政学的課題に対応するため、国内産業の強化や輸出拡大、コスト削減など多角的な政策を提唱し、選挙戦が展開されています。
タイ工業連盟、次期議長選で中小企業支援を巡る論戦
タイ工業連盟(FTI)は、現任議長であるグリアンクライ・ティアンヌクン氏の任期満了に伴い、2026年3月30日に新役員の選出、同年4月には新議長の選出を予定しています。この重要なポストを巡り、チャナ・プーミー氏とアピチット・プラソップラット氏という2名の副議長が立候補を表明し、特に中小企業(SMEs)の支援策を中心に、それぞれの具体的なビジョンを提示しています。経済の不透明感が増す中で、両候補がどのようなリーダーシップを発揮するのか、国内外から注目が集まっています。
新議長選、激戦の舞台裏
現任議長の任期満了と新体制への移行
タイ工業連盟のグリアンクライ・ティアンヌクン議長は、2026年3月30日に2年間の任期を終えます。これを受け、新たなリーダーシップを確立するため、同年3月30日に新理事会メンバーが選出され、その後4月には新議長が正式に決定される予定です。任期は2026年から2028年までの2年間とされています。グリアンクライ議長は、立候補者の数は問わないと述べ、最終的には会員の投票によって新議長が選ばれることを強調しました。
議長はまた、選出されたいかなる候補者も、経済の低迷、地政学的な対立、世界貿易ルールの変化、国内政治の変動といった困難な状況において、産業界の代表として会員の利益を最優先するべきだと訴えています。特に、前回の選挙で発生したような激しい対立を避け、組織の伝統とルールを尊重するよう、候補者たちに呼びかけました。
チャナ・プーミー氏の5つの戦略:強靭な産業構築へ
SCG幹部が示す経済回復への道筋
タイ工業連盟副議長であり、サイアム・セメント・グループ(SCG)の社長顧問を務めるチャナ・プーミー氏は、経済が多岐にわたるリスクに直面している現状において、国内事業者の強化が最重要課題であると強調しました。特に中小企業(SMEs)に焦点を当て、以下の5つの戦略を掲げています。
第一に、政府調達の活用、ローカルコンテンツの推進、そしてTISI(タイ工業標準協会)標準の義務化を通じて、国内市場を保護し、高品質なタイ製品の利用を促進します。さらに、国際基準に満たない海外製品の流入を阻止する措置も講じます。
第二に、自由貿易協定(FTA)の推進と、国際的な取引先へのアクセスを支援するための標準化ツールをサポートすることで、輸出を拡大します。
第三に、直接再生可能エネルギー購入契約(Direct Power Purchase Agreement)の拡大と、第三者による電力網利用(Third Party Access)を許可することで、エネルギーおよび輸送コストの削減を図り、競争力を高めます。
第四に、SMEsを含むあらゆる事業者が迅速かつ容易に事業を展開できるよう、不要な規制を撤廃します。
最後に、官民連携(PPPP)を強化し、政府がSMEsの研究開発(R&D)と資金調達を支援することで、イノベーションを促進します。
アピチット・プラソップラット氏のビジョン:SMEと産業全体の底上げ
SMI議長が提唱する「4つのGO」戦略
タイ工業連盟副議長、中小企業製造業研究所(SMI)議長、そしてバイスパイプフィッティングインダストリー社MDを務めるアピチット・プラソップラット氏は、SMEsが経済の基幹を成す重要な存在であると述べ、SMEsが力強く前進できるような政策に注力する姿勢を示しました。同時に、産業全体を長期的に発展させるための「4つのGO」政策も提唱しています。
Go Digital & AIでは、デジタル技術と人工知能を導入して生産効率、経営管理、そしてEコマースを通じた市場アクセスを強化します。Go Innovationでは、イノベーションによる製品・サービスの開発、高付加価値企業の育成、コスト削減のための自動化(Automation)を推進します。
Go Globalでは、国際的に認められる製品基準の向上、グローバルサプライチェーンへの統合、新たな市場開拓を目指します。Go Greenでは、持続可能な発展(ESG)とネットゼロ目標達成のため、環境に優しい原材料の使用と生産プロセスの改善を通じて、産業を推進します。これらの戦略を「ONE FTI(One Vision, One Team, One Goal)」の原則に基づき実行することで、タイ経済の構造変革、すなわちThailand 4.0への移行を図ります。
候補者分析:実務経験と知名度の対決
会員が懸念する過去の教訓
タイ工業連盟関係者によると、両候補者は互角の勝負を展開すると見られています。アピチット氏は、グリアンクライ議長の「右腕」として連盟内の業務全般を熟知しており、中小企業の代表として活発な活動を通じて、会員からの信頼と支持を集めています。彼は小規模企業出身であるため、影響力が不足していると見られることもありますが、その実直な働きぶりは高く評価されています。
一方、チャナ氏はSCGという大企業の幹部であり、その知名度と影響力は非常に高いです。しかし、連盟の会議への参加頻度が比較的低いため、会員の中には彼の連盟内での具体的な役割をまだ十分に認識していない者もいるようです。
多くの会員は、前回の議長選で起こったような激しい対立や組織内の摩擦を避けたいと考えています。特定の候補者への過度な支持や、感情的な競争によって、組織の団結が損なわれることを強く懸念しており、今回の選挙が公正かつ平和裏に進められることを望んでいます。
引用元:
https://www.prachachat.net/economy/news-1951716
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